蕁麻疹(じんましん)とは
蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚の一部が突然はっきりと赤く盛り上がり、軽度から強いかゆみを伴う疾患です。
「じんましん」や「じんま疹」などと表記されることもありますが、正式な医療用語では「蕁麻疹」と記載されます。
蕁麻疹の症状は、だいたいのものが数分から数時間で消失します。場合によっては数日間続くこともあります。跡が残ることはほとんどありません。繰り返し現れることがまれにあり、特に慢性的な場合は数週間から数ヶ月続くこともあります。
身体に出現した赤いふくらみ(皮疹)が何日もそこに残り、茶色などに変化する、皮膚表面がポロポロと乾燥するようでしたら蕁麻疹とは別の病気と考えられますので、専門医にご相談ください。

蕁麻疹の症状・特徴
蕁麻疹の特徴として、円形や楕円形、不規則な形状で、広がることがあります。その発疹の大きさや形は様々で、地図状に広がる場合や、移動することもあります。皮膚の色によって個人差はありますが、白っぽい膨らみ、または淡いピンク色になることが多いです。
ほとんどの症状で発疹は跡に残らず数時間で消えます。ただし、蕁麻疹は繰り返し現れることもあり、慢性化すると6週間以上続くことがあります。
重症化すると、唇、まぶた、喉などが腫れる(血管性浮腫)こともあり、症状が治まるまで数日かかります。また、全身倦怠感や関節痛、発熱などの症状もある場合は内臓疾患が隠れていることもありますので、医師に相談してください。
皮膚症状に伴い呼吸困難や喉の腫れ、意識障害、全身に急速に広がる発疹などの症状がある場合はアナフィラキシーの可能性があるため、直ちに受診をする、または救急要請するなどして対応してください。
蕁麻疹の原因
《蕁麻疹を誘発するもの・原因と考えられるもの》
蕁麻疹は食物やアレルギー、ストレスをきっかけに発症するものや物理的刺激や運動と関係するものもありますが、原因を特定できない突発性であるケースも多いといわれています。
食品が原因となる蕁麻疹は、アレルギー性と非アレルギー性のものがあります。特定の食品を摂取した際、必ず蕁麻疹を発症するのであれば、アレルギー性蕁麻疹であることが多いです。アレルギー性蕁麻疹はエビやカニなどの甲殻類、果物、ソバなどが原因になることが多くあります。食物が蕁麻疹の原因、誘発の可能性がある方は、アレルギー検査でわかることもあります。
物理的な刺激は、衣服による摩擦や圧迫やこすれなども蕁麻疹を誘発します。寒冷や温熱刺激、日光なども原因となることが多いため、季節の変わり目などは蕁麻疹を発症する人が増えます。
蕁麻疹ができやすい人の特徴
アレルギー体質
花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギーなどのアレルギー体質の人は、免疫系が過剰に反応しやすく、特定の物質(アレルゲン)によってヒスタミンが放出され、蕁麻疹を引き起こしやすくなります。
ストレスを抱えやすい
慢性的なストレスや緊張状態にある人は、体内の免疫バランスを崩し、蕁麻疹を引き起こしやすくなります。
免疫系が過敏または弱い
甲状腺疾患、関節リウマチなど自己免疫疾患を持つ方、慢性的な感染症や体調不良を抱えている方。自己免疫疾患や免疫系の異常は、蕁麻疹を誘発する一因となります。また、感染症(風邪、胃腸炎、ピロリ菌感染など)も蕁麻疹のきっかけになることもあります。
食生活や薬の影響を受けやすい
特定の食品や添加物、薬(抗生物質、鎮痛薬、アスピリンなど)でアレルギーを発症したことがある方は、アレルギー反応が原因となり蕁麻疹が出やすくなります。
物理的刺激に敏感である
衣服の摩擦、寒さ、暑さ、日光、圧力などに敏感で赤みやかゆみがでやすい方は、外的刺激が原因となる物理的蕁麻疹(寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹など)が発症しやすい体質といえます。
ホルモンバランスが乱れやすい
特に妊娠中や出産後の女性や更年期にある女性は、ホルモンの変化が体の免疫反応や血管反応に影響を与え、蕁麻疹を引き起こすことがあります。
家族歴がある
家族に蕁麻疹やアレルギー体質の方がいる場合、遺伝的に発症リスクが高いことがあります。
環境要因に影響を受けやすい
乾燥した環境や、気温変化が激しい場所に住んでいる、また汚染物質や化学物質に頻繁に接触する機会のある方は、環境要因が肌や免疫系に負担をかけ、蕁麻疹を誘発しやすくします。
慢性疾患を持っている
糖尿病、肝疾患、腎疾患などの慢性疾患がある方は、体内の炎症が増えたり、免疫系が影響を受けたりなど、蕁麻疹を発症しやすくなることがあります。
蕁麻疹の種類と特徴、見分け方
急性蕁麻疹
症状が突然現れてから数時間から数日で治ることが多く、6週間以内で落ち着きます。アレルギーや感染症、薬物が原因となりやすいです。
慢性蕁麻疹
多くの場合、原因が特定しづらいですが、症状が6週間以上続くことが特徴です。
物理的蕁麻疹
摩擦、圧力、寒さ、熱、日光などの外的刺激が原因で起こります。
コリン性蕁麻疹
運動や入浴で汗をかくと現れます。発疹の大きさが1~4mm程度と小さいこと、子どもや若い人の発症が多いことが特徴。
アレルギー性蕁麻疹
食べ物や薬剤、昆虫などに含まれる特定アレルゲン物質に反応して起こり、アレルゲンに結合するIgEという血清蛋白が関与しています。
イントレランス
アスピリンなどの非ステロイド系消炎鎮痛薬、造影剤や色素、食品に含まれるサリチル酸などによって引き起こされ、IgEが関与しません。
血管性浮腫
唇やまぶたなどが突然腫れあがり、2~3日で消失します。通常、蕁麻疹は強いかゆみがあることが特徴ですが、血管性浮腫はかゆみを伴いません。まれに遺伝性である場合があります。
蕁麻疹の診断・検査
アレルギー性の蕁麻疹では、血液検査や皮膚検査を行います。
問診等とあわせて、これらの方法によって悪化因子や誘発因子などを探っていきます。

蕁麻疹の治療方法・治療薬
抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服で治療します。
症状により、塗り薬を処方することもあります。
蕁麻疹は原因物質を特定できないことが多くありますが、原因が特定された場合、その除去を行います。
注意事項
蕁麻疹を引き起こす原因はとても多く、必ずしも特定の要因によって発症するとは限りません。
また、アレルギー検査の結果もあくまで参考程度とし、特定の食品など数値の高いものがあっても、それが原因であるとは断定できません。
原因となる可能性の高い要因を避け、蕁麻疹の発症を予防することができますので、日常生活でも意識してみましょう。
もちろんアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が特定しているのであれば、なるべくそれらを避けるようにしてください。検査等は受けておらず、はっきりとわかっていなくても、摂取した、または触れたときに繰り返し蕁麻疹がでるようなものは注意しましょう。